これを書いている現在、金沢で総檜造りの家を建築しております。
大工によれば「檜は釘一本打っても、ギュッ、ギュッと刺さってる!!という実感がある」と言います。
これだけ聞いても『さすが檜』と思ってしまいます。
↑木曽桧の樹形
直径は約2尺5寸(約75p)ありました
檜 (ひのき) 【Japanese cyprss】
学名 【Chamaecyparis obtusa Endl.】
Chamaecyparis は、chamai(小さい)+ cyparissos(イトスギ)。
イトスギにくらべて果実が小さいため、この名が付いたと聞きました。
obtusaは鈍形の、円味を帯びたと言う意味で、葉の形を指しています。
常緑大高木。樹皮は、赤褐色。
葉は、鱗片状で十字対生になっています。下面に白色の気孔群があり、Y字形となります。
分布は、本州(福島以南)、四国、九州、屋久島です。
天然檜の分布は福島県東南部以南の本州と四国及び九州に生育が認められます。
南限は屋久島ですが、九州には蓄積量が余りありません。
檜は中腹から尾根筋にかけての山の斜面に良く育ちます。
長野県の木曾から岐阜県の裏木曾一帯の木曽谷及びその周辺の飛騨地方と和歌山県高野山、
高知県西部に良い材質の檜がある地域として知られています。
材は優良で建築材、家具材として利用され、林業上大変重要な樹種です。
現在では国内の檜の大木が無くなり、神社仏閣の造営の際には台湾から台湾檜を輸入していましたが、
それすら無くなってしまいました。
日本の造林檜は30〜40年生が殆どで、檜の住宅を建てて頂くときは、白太部分も入っている柱となる
ことが多くあります。
檜と言えば香りです。独特の芳香があり、松茸と共に日本の代表的な香りと言えます。
用途ではやはり神社仏閣の建築材料を思い浮かべる人が多いでしょう。
確かに世界一古い木造建築である奈良の法隆寺も檜で造られています。
伊勢神宮も檜で造られており、20年に1度遷宮をしますよね。
これらの通り、建築材料としては良材です。
古い神社やお寺に使われている柱等を調査したデータによれば檜材は伐採されてから200年位迄は、圧縮・曲げなどの諸強度はやや上昇し、その後は緩やかに減衰し始めますが、衝撃曲げ吸収エネルギーは伐採後300年迄の間は30%程低下するものの、それ以降に於ては殆ど変らないと言う学術報告があります。
同じく寺社に多く使われている欅材は伐採後300年辺りから急激にセルロースの崩壊と結晶化が始まり脆くなるので、檜よりも耐久性が乏しいと言われています。
これは寺社建築に於いて用いられる樹種の比較であり、欅も他の樹種に比べては耐久性の非常にある木なのです。
檜はあらゆる面から見て最高の構造材と言えます。
『檜の家に住みたい』と今でも言われる人がおいでます。
しかし、昔から檜を尊重してきたのは太平洋側の人達だけだったのです。
なぜなら日本海側には檜に劣らない木があったからです。
石川県には能登ヒバ(アテ)、クサマキ(青森桧葉)があるじゃないですか。
檜風呂はいいですねー。
ホンワカと檜のいい香りがしてノホホ〜ンとなりますよね。
用途はその他にも、屋根材・家具・船・彫刻・縄などがあります。
檜の縄と言うのは妙でしょう。砕いて繊維質だけにして作ったロープなのです。
そうそう、檜の笠もありましたねー。檜を薄くスライスし、1p程の紐状にしたもので作った笠です。
昔は農作業をするときに、雨の日も、また陽が強いときにも使いました。
現在でも花笠音頭の踊りに被っているあの笠ですよ。
ところで、富山県八尾の風の盆に男の人が被っているのは何でしたっけ。女の人が被っているのは・・・・・
えーっと、何だったっけ?
檜にはヒノキチオールという成分が含まれていて、虫除けになります。そのため、檜の家はシロアリの被害
が少ないようです。
このヒノキチオール、何ともイイ香りなんですよねー。
当店ではトイレの腰板に使用しました。
(臭い処にイイ香りの木を使いました)
因みに、香りがしなくなったら雑巾で拭くと香りが戻ってきます。
これも無垢の木だからなのです。
いくら桧と言っても合板ではこうはいきません。
また、Logでは床材に節のある檜を用いています。